黒川温泉
緑豊かな阿蘇の山々の奥深くに、30軒の旅館が集まった小さな温泉郷「黒川温泉」。かつては地図にも載っていない秘境の温泉でしたが、地元の人々が手を取り合い、長い年月をかけて「上質な里山」の景観をつくり、現在では全国に名を知られる観光地となりました。
長年、地元の合言葉として掲げられているのが、温泉全体を大きな一つの旅館に見立てる「黒川温泉一(いち)旅館」。ひとつひとつの旅館を「離れ部屋」、それぞれを繋ぐ細い路地を「渡り廊下」、温泉街の自然を「中庭」として、温泉地に関わる人が一丸となり、訪れた方々を地域全体のお客様としてお迎えし、おもてなしする。そして地域の課題は皆で共有し、解決していくことで持続可能な温泉郷を目指す……。そんな地域理念のもとに、黒川温泉すべての露天風呂で利用できる「入湯手形」などの全国的にも珍しい試みが生まれ、近年の温泉地としての発展を実現してきました。