シェフinレジデンス実施報告(with
出張料理人/ソウダルア氏)
12月5日から7日にかけて出張料理人のソウダルア氏をお招きし、シェフinレジデンスを実施しました。
※今回の企画では事前/イベント実施中におけるコロナ対策を行った上で、実施しております。
※【シェフ・イン・レジデンス/chef in residence】
国内外の料理人が一定期間滞在して土地の食材に触れ、その食材を使った試食会などを通じて地域の人々との交流を図ること。
今回のシェフinレジデンスでは3日間という時間を使い
2日間のフィールドワーク、最終日には黒川温泉の旅館組合員/料理人/地域の方々に対して
“一頭まるごと/あますことなく”食すというコンセプトに触れていただく
体験型の研修/試食会を実施しました。
※フィールドワークでは黒川温泉で「食の学校」を主催している山本美奈子氏にご協力いただきました。
ソウダルア氏には2日間のフィールドワークを通じ、小国郷にある旬の食材をインストール、
また景色や景観、この土地が持つ”地の力”に触れていただき、そのインスピレーションで
試食会でのフードインスタレーションを演出していただきました。
というのも、現在つぐもプロジェクトでは事業化へ向け、
今年度より新規事業型の地域おこし協力隊が着任し
コンセプトとして”一頭まるごと/余すことなく”を掲げた
黒川温泉独自の地域内消費のあり方を模索しています。
牛の部位を大まかにまとめると36部位に分けることができ、
また、その部位の中でも消費者である私たち、更には料理人の方でさえも
「知られてはいるが、使わない部位」というものがあることがわかりました。
更に、南小国産のあか牛について、販売調査をしたところ
黒川温泉街で流通しているものの多くはヒレや、サーロイン、
良質だと認識されている肉の部位を仕入れており(36部位中10部位)
およそ、牛の部位全体の1/3という結果でした。
その他の部位に関しては、選択肢に上がることもなく目に触れる機会が少ないという状況で
この状況を少しでも変化できないのか?という経緯で今回のシェフinレジデンスが実現しました。
※農家の現状について研修を受ける参加者の様子
体験をしていただくに当たって、これまで中々使用される機会がなかった
12部位(テール、ハチノス、トモサンカク、ホルモン等)を使用した9品を提供しました。
※当日配られた、試食会でのお品書き
研修中盤では、ソウダルア氏によるフードインスタレーションによるLive調理を実施していただきました。
※同じ土地で取れた、食材を使ってソースを作り、まるで絵の具のように鮮やかに彩られた食卓。
※小国郷の食材と混ざった、様々な料理が食卓に並びました。
実際に出来上がった作品/試食会の風景がこちらです。
※フィールドワークの中で出会った倒木などを使用し、食材をテーブル一面に広げ、豊かな小国郷/黒川温泉地域/の世界観を表現いただきました。
※同じ食卓を囲んで、試食をする参加者(旅館の若女将や若旦那、黒川で働く料理人の方々)
実際の参加者の声としては
“普通に手に入るとはおもってなかったので、これを機に色々な部位で料理に挑戦したいと思いました。”
“あか牛本来の美味しさを伝えるためにはステーキくらいしか浮かばなかったのだが、ソースや出汁という形で他の地元食材と組み合わせて地域のストーリーを伝えるのもいいなと思った。”
“地産のお肉の落ち着くような味わいがあったと思う。目に見えない味というか。”
など、今回の研修会で刺激を受けていただけたようでした。
今後、旅館組合の活動を通じて、料理人の希望を叶える
“新たなレシピ開発等の機会”を提供できないかと検討を進めております。